竹プラスチックってな〜に?
竹繊維+プラスチック
プラスチックの加熱すると柔らかくなっていろんな形に成形することができるけれど、それって、金属やセラミックに比べて基本的に柔らかいからなんです。でも軽いから、それまで金属やセラミックで作られてきたものが、どんどんプラスチックに置き換わってきているんです。 けれど、プラスチックにも弱点があります。それは、金属やセラミックスに比べて、剛性(stiffness)が低いことです。剛性とは、曲げやねじりの力に対する変形のしづらさの度合いのことです。変形できることがプラスチックのメリットであれば、欠点でもあるんです。
そこで登場したのが成形性のメリットは低下するんですけど、剛性の低い欠点を補うために、繊維材料を入れて剛性を高た繊維強化プラスチック(FRP)と言われているものです。ガラス繊維を入れて強化したものが、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)といいます。お風呂の浴槽やボートの船体がそうですね。でも、ガラス繊維はちょっと重い。。。?(比重/2.6)。炭素繊維を入れて強化したものが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)といいます。最新鋭の飛行機の機体がこれで作られています。炭素繊維は軽くて丈夫(比重/1.6)。でも、製造する時にたくさんのCO2を出してしまうのです。
竹繊維も長い繊維を用いるとGFRPに匹敵するほどの繊維強化機能が強く表れてきますが、成形がしづらいので、複雑な形状のものがつくりにくいんです。そこで竹繊維とプラスチックの配合比率を変えた繊維強化プラスチックにすると補強効果はGFRPやCFRPには程遠いものの、プラスチックの2倍の強度を持ち成形性にも優れた繊維強化プラスチックとなり、いろんな用途に使えるんです。そうすれば、使用量も大量になって、放置竹林問題にも一つの解決策となるんですね。さらに、プラスチックはそのほとんどが石油を原料にして作られているので、プラスチックを作るときも、 使い終わって焼却するときも大量のCO2を出してしまうんです。でも、竹は基本的に新たなCO2を生み出しません。だから、竹の繊維を大量に使えば使うほど、プラスチックから発生するCO2の量を抑制できるんです。
ジレンマの解消!/高強度+高成形性
プラスチックが静電気を帯びなくなる?
/帯電防止
竹は、水蒸気で処理して粉末化すると、プラスチックに混ぜたときに、プラスチックが静電気を帯びなくなります。竹をたたいて割ると、針金のようなものがたくさん出てきますが、あれは、竹の血管、つまり栄養や水分を全身に運ぶ維管束とそれを守る鞘なんです。とても丈夫な構造で、ウィスカーと言う針みたいな材料です。これは、太さが10μから100μくらいで、マイクロファイバーともいいます。このマイクロファイバーは、竹が一生懸命創りあげた芸術品なんです。これをそのままプラスチックの強化素材として使うことで、余計なエネルギーを掛けずに、とても丈夫で使いやすい繊維素材が低コストで得られます。いま話題のナノファイバーにすることもできますが、手間暇とエネルギーもたくさん必要とするから、マイクロファイバーのままで使えたらずっと安いコストで大量に使えます。
IT、家電、自動車などに難燃性は必須!
/難燃性賦与
食品と同じように成分、生産者が判る!/
トレーサビリティー
こんな質問をよく受けます。日本中に分布している竹の主な種類に違いはあるの?種類によって性質や成分が異なるの?竹の年齢(竹齢)によって、中身が変化するの?竹を伐採する時期によって、何か変化するの?竹を工業資材に利用しようとするならば、上のような疑問に満足のいく答えが必要です。なぜなら、工業資材は、いつでも同じ性質、形の製品を供給するという義務がありますから、原料が毎回バラバラでは、原料として使えませんよね。それともう一つは、有害な成分が混じっていないということが、とても重要です。
実用化されたプラス竹(チック)
竹の繊維や粉末をたくさん入れたBPC(竹プラスチックコンポジット/プラス竹(チック)?)は、既に、実用化されたもののもあります。下の図に示したのが、竹の繊維や粉末を25%入れて成形したBPC製コンテナと、51%いれて成形したBPC(バンブープラスチックコンポジット)です。これを使って、竹林で掘った筍を集めるために使ったり、道路の側溝の蓋やデッキ材に利用されています。山を覆うやっかいものの竹と容器包装リサイクル法で集めたその他プラスチックから、筍林やすぐそばの道路の側溝に利用できるなんてすばらしいと思いませんか。